母が植えた桜に寄り添ういえ
竣工：2024年 / 設計：nico設計室
家族の大切な木に寄り添うように建つ住まい。
お施主様のお母様が生前に植えられた桜の木は、今では大きく育ち、家族を見守っています。 今回、この桜の木との関係をメインテーマとしてプランされました。
まず、玄関引戸を開けて入ると、自転車を入れられる広い土間が。 杉板を張った壁には後々、棚を付けることができるようになっています。
リビングは明るく開放的で、脇に設けられたワークカウンター上の全開口が可能な引き込み窓から「花見台」として設えられたウッドデッキに降りることができます。 すると、桜の木の枝葉が家族を守るかのようにすぐ傍に。
このカウンター上の大きな引き込み窓と南面の掃き出し窓により、リビングは開放的で非常に明るい空間となっています。 また、南面には適度に視線を遮ってくれる植栽を配置し、プライヴェートを守ってくれるように配慮。 加えて、階段とリビングを仕切る壁の上部にはアイアンの枠を嵌め込んだ開口を設けて、抜け感と更なる明るさ、そして小粋な空間演出を。
ダイニングキッチンはシステムキッチンとダイニングテーブルをつなげたレイアウトとし、シンプルな動線とリビング空間の広さに貢献しています。 またキッチンのガスコンロはお施主様のこだわりの支給品を組み込んであり、機能美が際立っています。
洗面スペースは広くとり、洗面カウンター下部にガス乾燥機を設置。 物干しも同じスペースに設けており、非常に家事が効率的に行えます。
2階には各部屋からアクセスしやすい中央部にトイレと洗面コーナーを設置。 洗面器やタイルにお施主様こだわりのものを使用することで、空間としての快適性や使用した際の満足度を上げています。
雨の日も雪の日も変わらず、全体的にシンプルで「格好いい」この住まいでの暮らしを、桜の木はずっとそばで見守ってくれることでしょう。
